
「足の裏が疲れやすい」
「長時間歩くと足や膝が痛くなる」
「最近、土踏まずがなくなってきた気がする」
その症状は大人の扁平足かもしれません。
扁平足は子どもだけのものと思われがちですが、大人になってから発症するケースも少なくありません。加齢や筋力低下、体重増加、長年の生活習慣などによって足のアーチが崩れ、痛みや歩きにくさを引き起こすことがあります。
結論から言うと、大人の扁平足は状態によって改善が期待できます。特に早い段階で適切なケアやトレーニング、インソールの使用などを行うことで、症状の軽減や進行予防につながります。一方で、放置すると足だけでなく膝や股関節、腰への負担が増え、慢性的な痛みの原因になることもあります。
この記事では、大人の扁平足の原因やセルフチェック方法、改善が期待できる治し方、医療機関を受診したほうがよいケースについてわかりやすく解説します。足の痛みや姿勢の乱れが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

もしかして扁平足?自宅でできる簡単セルフチェック
自分が扁平足かどうかを客観的に判断するのは難しいと感じるかもしれません。
特別な道具を使わずに自宅で簡単に確認できる方法がいくつか存在します。
これから紹介する方法で、まずはご自身の足の状態を把握してみましょう。
かかとの傾きで確認する方法
鏡を使ったり、他の人に後ろから見てもらったりして、かかとの傾きを確認する方法です。
まっすぐに立った状態で、アキレス腱からかかとにかけてのラインを見ます。正常な足の場合、このラインは地面に対してほぼ垂直です。
一方で、扁平足の場合は、足のアーチが潰れて内側に倒れ込むため、かかとの骨が「ハの字」のように外側へ傾いて見えます。
この傾きが大きいほど、扁平足が進行している可能性があります。
足跡の形でチェックする方法
濡れた足で乾いた地面や新聞紙などの上に立ち、足跡の形を確認する方法も有効です。
正常な足であれば、土踏まずの部分は床につかないため、足跡はアーチ状に大きくくびれています。
しかし、扁平足の場合は土踏まずのアーチが低下しているため、足跡のくびれがほとんどなく、足裏全体がべったりと付いた形になります。
くびれの部分にボールペンなどを差し込んでみて、隙間がほとんどなければ扁平足の可能性が高いと判断できます。

なぜ土踏まずがなくなるの?大人の扁平足を引き起こす主な原因
子供の頃はしっかり土踏まずがあったのに、大人になってから足の形が変わってきたと感じる方は少なくありません。
これは「成人期扁平足」と呼ばれ、後天的な要因によって引き起こされます。
主な原因を知ることで、日常生活での予防や改善につなげられます。
ここでは、大人の扁平足を引き起こす代表的な原因を3つ解説します。
加齢や運動不足による足裏の筋力低下
足のアーチは「後脛骨筋」をはじめとする複数の筋肉や腱によって支えられています。
加齢や運動不足によってこれらの筋力が低下するとアーチを吊り上げておく力が弱まり徐々に土踏まずが潰れて扁平足になります。
特に後脛骨筋はアーチ維持の要となるためこの筋肉の機能不全は成人期扁平足の最も大きな原因の一つと考えられています。
適度な運動習慣がない場合筋力は年齢とともに衰えやすくなります。
体重増加による足への過度な負担
足は全体重を支える土台であり、体重が増加すると足裏のアーチにかかる負担もその分だけ増大します。
特に急激に体重が増えた場合、足裏の筋肉や腱がその負荷に耐えきれず、アーチが潰れて扁平足を引き起こすことがあります。
増加した体重は、歩行や走行時にその何倍もの衝撃として足に加わるため、アーチ構造の維持が困難になります。
肥満は扁平足の進行を早めるリスク要因の一つです。
足に合わない靴の着用や長時間の立ち仕事
日常生活の習慣も扁平足の原因となります。
かかとが高い靴や、つま先が窮屈な靴を長時間履いていると、足指がうまく使えず足裏の筋肉が正しく機能しなくなり、アーチの低下を招きます。
また、クッション性の低い靴での長時間の立ち仕事や歩行は、足裏の筋肉に持続的な疲労と負担をかけ、筋力低下や腱の劣化につながります。
自分の足に合った靴を選び、適度に休息を取ることが重要です。

扁平足を放置は危険!全身に広がる不調のリスh3ク
扁平足は単に足が疲れやすくなるだけの問題ではありません。
足裏のアーチが持つ衝撃吸収機能が失われることで、その影響は足だけでなく、膝や腰、さらには全身に及びます。
放置すると様々な不調を引き起こす可能性があるため、早期の対策が肝心です。
特にふくらはぎや膝への負担が増加し、慢性的な痛みにつながるケースも少なくありません。
足の疲れや外反母趾、足底腱膜炎を引き起こす
扁平足になると、足裏のアーチが衝撃を吸収できなくなるため、歩行時の負担が直接足の骨や筋肉、腱に伝わります。
これにより、慢性的な足の疲れやだるさを感じやすくなります。
また、足指の付け根に負担が集中し、親指が「くの字」に曲がる外反母趾や、足裏の腱膜が炎症を起こす足底腱膜炎を発症するリスクが高まります。
これらの症状は、歩くたびに痛みを感じるなど、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
膝痛や腰痛など体全体の歪みにつながる可能性
足裏のアーチは、地面からの衝撃を吸収するサスペンションの役割を担っています。
扁平足によってこの機能が低下すると、吸収しきれなかった衝撃が膝関節や股関節、さらには腰へと直接伝わります。
この状態が続くと、膝痛や腰痛の原因となります。
また、かかとが内側に倒れ込むことで体の重心が不安定になり、バランスを取ろうとして膝や骨盤が歪むこともあります。
この歪みは、ふくらはぎの過度な緊張や全身の姿勢の悪化にもつながります。

自宅で今日から始める!扁平足のセルフケア改善法
扁平足の改善には、足裏の機能を回復させることが重要です。
専門的な治療も選択肢の一つですが、まずは自宅で手軽にできるセルフケアから始めてみましょう。
ここでは、足裏の筋肉を鍛え、柔軟性を取り戻すための効果的なトレーニングやマッサージを紹介します。
足裏の筋肉を鍛える「タオルギャザー」運動
タオルギャザーは、足裏のアーチを支える内在筋を効率的に鍛える代表的なトレーニングです。
まず、椅子に座ってかかとを床につけ、床に広げたタオルの端に足の指を置きます。
次に、かかとを動かさずに、足の指だけを使ってタオルをゆっくりと手前にたぐり寄せていきます。
すべてのタオルをたぐり寄せたら、今度は逆の動きでタオルを広げます。
この動作を1日に数回繰り返すことで、足指の掴む力が向上し、アーチのサポート機能が高まります。
足指の機能を高める「グーパー」ストレッチ
足指の動きを良くし、血行を促進するための簡単なストレッチです。
椅子に座るか、床に座って足を伸ばした状態で行います。
まず、足の指すべてに力を入れて、ぎゅっと握りしめるように「グー」の形を作ります。その状態で5秒ほどキープします。
次に、指と指の間をできるだけ大きく広げるように「パー」の形を作ります。これも5秒ほどキープします。
この「グー」と「パー」の動きを10回ほど繰り返しましょう。お風呂の中など、リラックスした状態で行うとより効果的です。
硬くなった足裏の柔軟性を取り戻すマッサージ
扁平足の人は、足裏の筋肉や筋膜が硬くなっていることが多いため、マッサージでほぐすことが有効です。
ゴルフボールやテニスボールを床に置き、椅子に座った状態で足裏全体を使ってゆっくりと転がします。
特に土踏まずや痛気持ちいいと感じる部分を重点的に刺激しましょう。
また、手を使って足の指を一本ずつ回したり、足裏全体を揉みほぐしたりするのも効果的です。血行が良くなっている入浴後などに行うと、より柔軟性を高められます。
治し方をサポート!扁平足対策グッズの正しい選び方
セルフケアと並行して、日常生活で使うグッズを見直すことも扁平足の改善には非常に有効です。
特にインソール(中敷き)や靴は、毎日体重を支える足への負担を直接コントロールする重要なアイテムです。
自分の足の状態に合ったものを選ぶことで、トレーニングの効果を高め、痛みの緩和や悪化の予防につながります。
アーチを支えるインソール(中敷き)の選び方
インソールは、物理的に足裏のアーチを支え、正しい足の形をサポートする役割を果たします。
扁平足対策でインソールを選ぶ際は、まず土踏まずの部分が盛り上がっており、自分のアーチの高さに合っているかを確認しましょう。
素材が硬すぎると足を痛める原因になり、柔らかすぎると十分に支えられないため、適度な硬さとクッション性を持つものが理想です。
また、かかとを安定させるヒールカップが付いていると、歩行時のブレが少なくなり、足全体の負担を軽減できます。
足に負担をかけない靴選びの3つのポイント
扁平足の対策では、日頃から履く靴選びが極めて重要です。
以下の3つのポイントを意識して選びましょう。
1.かかと周りがしっかりしていること:かかとをしっかりホールドし、内側への倒れ込みを防ぐカウンター(かかと芯)が硬い靴を選びます。
2.つま先に適度なゆとりがあること:指先が自由に動かせるよう、つま先には1cm程度の「捨て寸」と呼ばれる余裕が必要です。
3.適切な位置で曲がること:靴底が硬すぎず、歩行時に指の付け根の関節部分で自然に曲がるものが、足の正しい動きを妨げません。
セルフケアで改善しない場合は?専門医に相談する目安
自宅でのトレーニングやグッズの活用を続けても、足の痛みが改善しない、あるいは悪化する場合には、専門医への相談が必要です。
特に痛みが日常生活に支障をきたしている場合は、自己判断で放置せず、医療機関を受診しましょう。
適切な診断を受けることで、より専門的な治療への道が開かれます。
強い痛みやしびれがある場合は、整形外科や整骨院の受診を
扁平足は足裏のアーチが低下する状態ですが、すべての方に強い症状が現れるわけではありません。しかし、歩行時の強い痛みや足のしびれ、長時間立っていられないほどの不調がある場合は注意が必要です。
特に、足だけでなく膝や股関節、腰にまで痛みが広がっている場合や、症状が徐々に悪化している場合は、扁平足以外の疾患が隠れている可能性もあります。
整形外科ではレントゲンなどを用いて足の状態を詳しく確認し、必要に応じてインソール(足底板)の作製や治療を受けることができます。また、整骨院では足のバランス調整や筋肉のケア、歩き方の指導などを通じて、足への負担軽減を目指すことが可能です。
「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、症状が慢性化したり、膝や腰の不調につながったりすることもあります。強い痛みやしびれが続く場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
扁平足の治し方に関するよくある質問
ここでは、扁平足の治し方について多くの方が抱く疑問にお答えします。
子供の扁平足への対応や、インソールの具体的な効果、トレーニングを始めてから効果が出るまでの期間など、気になるポイントをQ&A形式で解説します。
子供の扁平足も大人と同じ治し方で良いですか?
いいえ、すぐに大人と同じ治し方をする必要はありません。
幼児期の扁平足は、足の骨格が未発達なために起こる生理的なものであることがほとんどです。
多くは成長とともに足裏のアーチが自然に形成されていきます。
痛みを訴える場合や、小学校高学年になっても改善しない場合は専門医に相談しましょう。
扁平足の改善にインソールは本当に効果がありますか?
はい、痛みの緩和や進行予防に効果が期待できます。
インソールは、潰れた土踏まずのアーチを下から物理的に支えることで、足本来の機能を補助します。
これにより、歩行時の衝撃が分散され、足や膝、腰にかかる負担が軽減されます。
ただし、根本的な改善には足裏の筋力を鍛えるトレーニングとの併用が不可欠です。
トレーニングを始めてからどのくらいで効果が出ますか?
効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には2〜3ヶ月程度、毎日コツコツと続けることが推奨されます。
すぐに痛みがなくなるわけではなく、まず足が疲れにくくなる、長く歩けるようになるといった変化から現れることが多いです。
焦らずに継続することが、改善への最も重要な鍵となります。
まとめ
大人の扁平足は、加齢や生活習慣によって足裏の筋力が低下し、アーチ構造が崩れることで発生します。
放置すると足の痛みだけでなく、膝や腰など全身の不調につながるリスクがあるため、早期の対策が重要です。
自宅でできるタオルギャザー運動やストレッチを継続し、自分の足に合ったインソールや靴を選ぶことで、症状の改善が期待できます。
もし強い痛みが続く場合は、無理をせずに整形外科や整骨院を受診し、専門家の診断を仰ぎましょう。
記事監修|笹塚鍼灸整骨院 院長 吉江 史年
■資格
- 柔道整復師
- 鍼灸師
■得意な治療
- 鍼灸治療
- 猫背矯正
- ロングマッサージ