
鍼治療に興味はあるものの「痛くないの?」 「どんなメリットとデメリットがあるの?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
結果から言うと、鍼治療で痛みを感じるのはまれです。ただし、「響き」と呼ばれる鍼独特の感覚をともなうケースがあります。
本コラムでは、鍼治療で生じる痛みや鍼治療のメリット・デメリットを解説します。お悩みの症状改善を図るきっかけづくりとして、ぜひご参考にしてください。
鍼治療は痛いときもある|ズーンとくる痛み「響き」とは
鍼治療で使用する鍼は約0.14〜0.3mm(当院では、0.17〜0.33mmのステンレス鍼を使用)と非常に細いため、注射器のような鋭い痛みを感じることはまれです。
しかし、凝りが酷い筋肉に鍼を刺すと「響き」と呼ばれる鍼独特の鈍い痛みを生じる場合があります。「響き」の原因は、鍼を異物とみなす人体の一時的な防御反応です。
鍼を刺すと鍼の刺激に対する防御反応が起こり、脳が異物を排除しようとして、筋肉が収縮します。その結果、鍼を刺した箇所にズーンとした鈍い痛みを感じるのです。個人差はあるものの「響き」に慣れてくれば「気持ちいい」と感じる患者さまもいらっしゃいます。
もし「響き」が不快な場合は、その場で施術者に伝えるとよいでしょう。
鍼治療で得られるメリットと知っておきたいデメリット
鍼治療で得られるメリットと、施術を受ける前に知っておきたいデメリットを解説します。
鍼治療は凝りの深部までアプローチし、根本原因から改善を図る治療方法です。享受する効果と比較すればデメリットは小さいといえます。
鍼の安全性を正しく理解し、施術を受ける際の参考にしてください。
メリット|凝りの根本原因に刺激が与えられる
鍼治療のメリットは、凝りの根本原因に刺激が与えられる点です。
凝った筋肉に鍼を刺すと、刺激を感じ取った脳が鍼を異物と誤認し、異物を取り除くために血流を促進させる命令を出します。血流が促進されることによって全身に酸素が行き渡って疲労回復が早まり、筋肉の緊張を和らげる効果につながります。
また、異物に対する防御反応として脳内に鎮痛物質が放出され、痛みの緩和も図れます。
デメリット|まれに内出血が生じる場合もある
鍼治療のデメリットに、ごくまれに内出血が生じる可能性がある点が挙げられます。施術時に鍼先が皮下の毛細血管に触れた際、微小な出血が皮膚の下にたまることで起こります。
ただし鍼治療に使用する鍼は前述したように非常に細く、髪の毛程度の太さしかありません。そのためもし内出血が生じた場合でも、小さな青あざが一時的に見られる程度であり、痛みを伴うことはありません。また通常は数日〜数週間で消失します。
当院では、鍼灸師をはじめとする国家資格を持つ施術者が患者さまの体調や体質を考慮したうえで、安全性に配慮した施術を提供しています。お困りの症状がある方は、気軽にご相談ください。
Q1:鍼治療で「響き」以外に痛みを感じるケースはありますか?
A1:鍼治療で痛みを感じるケースとして、毛穴や痛点に鍼が刺さった場合が挙げられます。
また、指先や口唇など痛覚神経が密集している箇所で生じやすい傾向もあります。一方、臀部や背中などは、皮膚面積に対する痛点の密度が少ないとされています。
患者さまが疲労している場合や強いストレスを溜めている場合も、痛みを感じやすくなる可能性があります。
Q2:鍼治療の副作用があれば教えてください。
A2:副作用として、まれに治療後に倦怠感や疲労感などが出るケースがあります。治療過程で生じる「好転反応」といわれており、2〜3日以内に消失する場合がほとんどです。
施術後の倦怠感で気になることがあれば、施術を受けた治療院で相談してください。
記事監修|笹塚鍼灸整骨院 院長 吉江 史年

■資格
- 柔道整復師
- 鍼灸師
■得意な治療
- 鍼灸治療
- 猫背矯正
- ロングマッサージ