
「鍼治療を受けたあと、身体が筋肉痛のように痛い」
「痛みがどれくらい続くのか心配」
このように不安を覚える方もいるでしょう。施術後の痛みの多くは、好転反応と呼ばれる身体の自然な変化です。
本コラムでは鍼治療後に感じる筋肉痛のような痛みの正体や、好転反応が起こる理由を解説します。施術後に起こる痛みの仕組みを理解することで、治療に対して前向きに取り組めるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
鍼のあと出現する筋肉痛に似た痛みの正体|好転反応(瞑眩)とは
鍼治療のあとに筋肉痛のような痛みを感じることがありますが、原因の多くは好転反応と呼ばれるものです。
体が回復へ向かう過程で一時的に現れる症状で、東洋医学では瞑眩(めんげん)と表現されることもあります。
鍼による刺激で血流が促進されると筋肉が弛み、筋肉痛のような感覚を生じさせます。この現象は異常ではなく、施術に対して身体が正常に反応しているサインと考えられます。
施術による変化に身体が馴染めば、痛みは徐々に落ち着きます。痛みが出る期間は1〜3日程度が多く、長期化はまれです。
万が一、時間が経っても治まらない場合は、施術を受けた治療院に相談しましょう。
痛みが治まったあとは、鍼の施術効果が出始めるパターンがよくみられます。
好転反応の代表的なものとして、筋肉痛のような痛みのほかに、めまい・眠気・倦怠感・発熱などがあげられます。
鍼治療後に注意すべきポイント
施術を受けたあとは、自律神経や血流、筋肉の状態が一時的に変化しており、身体がやや不安定な状態になっています。
治療直後に無理をすると、施術の効果が十分に得られなかったり、かえって不調を招いたりする場合もあるため、以下の点にご注意ください。
・水分をいつも以上に摂取する
・激しい運動やマッサージを避ける
・施術当日はアルコールを控える
水分を多めに摂ると、不要物をスムーズに体外へ排出でき、回復を助ける効果が期待できます。
また、運動やマッサージによって筋肉や血管に刺激を与えると、痛みや不調の原因になります。施術当日は軽いストレッチ程度にとどめ、リラックスしてお過ごしください。
さらに、施術当日はアルコールを控えましょう。鍼治療で血流が改善した状態では、アルコールの吸収が早まり、少量でも酔いやすくなったり、肝臓への負担が大きくなったりする恐れがあります。
当院では患者さまの状態に合わせたセミオーダーの治療プランを提案しています。好転反応に関する疑問や不安があれば、カウンセリングでお気軽にご相談ください。
笹塚鍼灸整骨院
Q1:鍼で起こる内出血は、好転反応ですか?
A1:鍼を刺した際に起こる内出血は好転反応ではありません。鍼が毛細血管に触れ、内部で出血したものです。東洋医学的な観点でいえば、内出血も体内の毒素排出に役立ちます。内出血が気になる方は、施術を受けた治療院に相談しましょう。
Q2:マッサージの揉み返しと、好転反応で起こる筋肉痛に似た痛みは何が違うのですか?
A2:揉み返しは強い刺激で筋肉が傷つき炎症を起こしている状態で、痛みは施術部位に限定されます。一方、好転反応による痛みは、血流が改善されて普段使っていない筋肉が動き始めたために生じる一時的な痛みで、全身に出る可能性があります。身体が整う過程で起こる自然な反応です。
記事監修|笹塚鍼灸整骨院 院長 吉江 史年

■資格
- 柔道整復師
- 鍼灸師
■得意な治療
- 鍼灸治療
- 猫背矯正
- ロングマッサージ